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マージン・コール(3):被雇用者たちの挽歌

ついにWOWOWにて、日本初放送日がやってまいりました!

みなさん、これ2012年アカデミー賞のノミネート作品なんですよ。

ただ単にキャスティングが無駄に銀河系の自主製作映画ってわけじゃないんだから!
もっと言うと単に金髪ポンパドゥールのもんすたぁ上司がトイレでファンサービス
してるだけの金融映画じゃないんだから!

映画「マージン・コール」に関する記事は過去に2つ上げていますので、
ぜひそちらもご覧ください。

記事:マージン・コール(1)  記事:マージン・コール(2)

そういうわけで、今回は映画「マージン・コール」のセリフなどから解説を
していけたらなあと思います。

1. ピーター・サリバンたち「理数系金融マン」mc_06.jpg
ピーター&セス「リストラの基準って、毛根の強さも関係あるんすか?!」

映画ではあえてこの呼称は避けられたんですけども「クオンツ」とも呼ばれる
理数工学系の金融マンたちがいます。おもに金融工学の理論を駆使して、
商品開発やリクス管理に従事するひとたち。ここが全くよくわからないのですが、
エリック・デイルのような橋梁のスペシャリスト、またはピーターが専攻していた宇宙物理工学
などが「うまいことこじつければ」金融工学に応用できるということなのです。

エリック、ピーター、セスの三人はリスク管理部門なので直接お客さんとセールスの
やりとりをする事はほとんどないと思われます(セスはウィルさんリスペクトでちょっと
トレーディングをかじっているようですが・・・)
一方で、バリバリの営業畑にいるサムやウィル、いわゆるトレーダーは彼らの理論が
保障する商品をお客さんに売りつけるわけですが、

そりゃあ「MIT卒の宇宙物理工学者が開発した商品」なんて言われれば、
中身が謎債権だろうがファービーだろうが、なんとなく買ってしまう気持ちも・・・わからん。

2.ジョン・トゥルド、そしてジャレッド・コーエン、サラ・ロバートソンのモデルmc_08.jpg

■ジョン・トゥルド
モデルは旧リーマン・ブラザーズ(LB)のCEO、リチャード・ファルド氏と言われています。
名前のもじり見ればわかるよって話ですが、この映画の舞台になっている投資銀行は
LBよりも小規模ですし、半年スパンの経緯を24時間に畳んでいるわけですから、
まったく同じ人物というわけではありません。
ファルド氏は実在の人物ですので、ここではあくまでLBのノンフィクションや暴露本など
からの情報を集約するに、
・金融工学には疎く、(とくに最終期には)細かい取引の推移には頓着しなかった
・豪胆で愛社精神の塊ともいえるが、一方で反乱分子には容赦がなかった
・雑用係であったヒラ社員からの叩き上げであり、30代にして重役へ昇進

など確かにジェレミー・アイアンズさんが演じたトゥルドを彷彿とさせる部分があります。
実際、アイアンズさんはファルド氏の証人喚問VTRを見て役作りをしたそうです。
ファルド氏にはその豪胆な性格から「ゴリラ」という異名がついていました。
じつはトゥルド役には当初、ベン・キングズレーさんがオファーされていたのですが、
スケジュールとギャラの調整が上手くいかずキャンセルになったそうです。
んではファルド氏の実物に一番ルックスが近いのは~と言うと、BBCのテレビ映画
「リーマン・ブラザーズ最後の4日間」で彼を演じたコーリイ・ジョンソンは激似です。
演出はちょっとテンパり過ぎと言う気もしますけどね・・・

■ジャレッド・コーエン
コーエンという姓はユダヤ系のとても古い男系血族だそうです。
ちっともそんなルックスに見えないですね。(アイルランド系にもこの姓があるそうですが)
mc_09.png
そういや、世間的に「じゃれっどこーえん」と言うと、ジャスミン革命の発端になった
元Googleのエージェントさんが有名なんですね。で、この人昨年ご自身のツイッターで
「おれと同じ名前のキャラクターが金融映画でバンカーやってるみたいなんだけど?」って
呟いてました。アメリカではとても有名な方なので、映画製作側に何か意図があるのかと
思ったのかもしれません。なんでだろうね?チャンダー監督に聞いてみたい。

ジャレッドのモデルは監督からは特に言及がないですが、
トゥルド会長の 腰ぎんちゃく 愛人28号 じゃねえや右腕という役どころからするに、
LB社のNo,2であったCOO(最高執行責任者)のジョゼフ・グレゴリー氏ではないかと思います。
ファルド社長が直々に引き抜いたまさに社長の分身ともいえる人だったそうで、
倒産直前にはこの二人が完全に経営のかじ取りを握ってしまっていたとも言われています。
また、自身や社長の障害になると判断した人物は即座に左遷したり辞任に追い込むなど
辣腕かつ強権だった(ってOBやクビになった社員の手記には書かれています)

■サラ・ロバートソン
mc_10.jpg
ハリウッドに蔓延する黒ぶち病。

サラのモデルとも言われるタチアナ・セガール氏はニュースにもなったのでご存知の方も
多いと思いますが、逆にこれマージンが上映されてから「ウォール街のデミ・ムーア」
なんて呼ばれているわけです。
この方は最高リスク管理責任者(CRO)というポストをトレンド化させたキーマン的な
存在として知られています。サラのように元いた古巣で不動産担保証券の危険性に
早くから警鐘を鳴らしたものの、真面目に取り合ってもらえず会社を去って行ったという
過去を持っているのですが、その後のリーマン・ショックなどを経てそのキャリアが注目され、
今では売れっ子CROとして沢山の金融会社役員を歴任しています。

つまり、サラがセガール氏をモデルとするならば、この投資銀行での苦い経験と、
自分の先見の明をアピールしてウォール街での新たな地位を築き、
時の人として脚光を浴びてたくましく生き残るという含みを持たせていることになるのです。

いっぽう彼女を辞任させることで首の皮一枚つながったジャレッドですが、
LB社のいよいよ危機を迎えた決算期に、古参の幹部や管理職(サムたちのことですね)が
一致団結してファルド社長に引責人事をするように要請するという内紛事件がありました。
この時、ファルド社長は「いっそ私が辞任すればいいんだろ」と嘆いた逸話がありますが、
けっきょく№2であるグレゴリー氏に突然の辞任要請が出たのです。
この時彼は「まさか社長がわたしにそんな要求をなさるとは」と愕然となさったとか。

これジャレッドで想像してくださいよ。

逆に言えば、アメリカではLB倒産までの経緯というのが日本よりもよく知られているので
(ライブドア事件の顛末のようにですね)ジャレッドの 高嶺の花 高慢と偏見に
満ちた態度や、サラを前にして余裕ぶっこいた態度を見ながら
「いまに泣きを見るのはお前のほうだカワイイ金髪め、ひいひいいわせたr」
って思いながら見てる観客も少ないくないわけです。

mc_jared4.png

なんつうか、マージンに関しては書いても書いてもウンチクですな。

まあそんなコ難しい話でもないので、みんなで夢の銀河系投資銀行に行って
眼福しようじゃないの!見ようぜWOWOW!

ちなみに後日放送の吹替え版ジャレッドはウォール街に舞い降りた天使どころか
あまりにドスの効いたその喋りがまったくもってミナミの帝王であり、高級スーツの
裏地に不動明王が刺繍されているとしか思えない仕様になっております。お楽しみください(泣)

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プロフィール

すう。

Author:すう。
別名ももぐみ。べいかあ教徒として日々修行を送っているつもりの永遠の4歳児。
唯一神おさいもんをあがめ、いい子になろうと血道をあげています。

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